モデリング
1Dモデリングは ①現象を理解する、②現象を定式化する、③方程式を直接書いて解く、④標準ライブラリを使って解く、⑤標準ライブラリをカスタマイズする、⑥自作ライブラリを作って解く の順番で行います。これらに関する内容、特に、Modelicaを用いたモデリングについて紹介します。
減衰の3形態とModelicaによるモデリング方法
減衰は振動問題を考える際に非常に重要な現象である ここでは、減衰の主要な3形態である粘性減衰(Viscous)、ヒステリシス減衰(Hysteretic)、 摩擦減衰(Coulomb)について説明するとともに、減衰の3形態をModelicaでモデリングする方法を紹介する
スイープ加振をModelicaで表現する
スイープ加振とは振動実験で良く行われている方法で、加振力の変動周波数を時間とともに変化させながら対象とする振動系の動特性を把握(特に、共振周波数)するものです スイープ加振をModelicaを用いて数値実験することを考えます
非線形振動をModelicaで直接解く
非線形問題について説明するとともに、定式化してModelicaで解く方法を紹介します
自励振動をModelicaで直接解く
自励振動問題を定式化し、Modelicaで直接解く方法について説明します
振動と言う現象
熱伝導現象をMSLを用いて解く
熱伝導現象を、熱伝達ライブラリ(Modelica.Thermal.HeatTransfer)を用いて解く方法について説明します
熱伝導現象をModelicaで直接解く
熱伝導現象を定式化し、Modelicaで直接解く方法を説明します
伝熱という現象
MSL熱系ライブラリの使用例
熱系ライブラリ(Modelica.Thermal)の構成と使用例について説明します
MSL熱流体系ライブラリの使用例
熱流体ライブラリ(Modelica.Fluid)の構成と使用例について説明します
MSL並進系ライブラリの使用例
並進機械系ライブラリ(Modelica.Mechanics.Translational)の構成、使用例について説明します
Modelica標準ライブラリ(MSL)の概要
Modelicaには、代表的な物理ドメインで使える無償の Modelica 標準ライブラリ(MSL) が付属してます この概要について説明します
方程式を解く(材力の知識を用いて振動特性を求める)
材料力学の知識から振動特性を算出する手順を説明します
方程式を解く(多自由度系の振動)
多自由度系の一例として、二自由度系の振動問題をModelicaで方程式を立て解く方法を説明します
方程式を解く(1自由度系の振動)
一自由度のばね・マスモデルを例に、Modelicaで、微分方程式を定義して記述する方法を説明します
オブジェクト指向プログラミングとは
Modelicaは、C++などと同様のオブジェクト指向プログラミングの考え方を導入している。オブジェクト指向プログラミングには、以下のような特徴がある。
- すべてのモデルは「クラス」として定義される
- 基本となるベースクラスの定義を継承し、追加の定義を拡張して,上位クラスを定義する
- ベースクラスの定義を変更すると,それを継承するすべてのモデルが同時に変わる
オブジェクト指向とは、コンピュータプログラムの設計についての考え方の一つで、互いに関連するデータと手続きをオブジェクトと呼ばれる一つのまとまりとして定義、様々なオブジェクトを組み合わせて関連性や相互作用を記述していくことによりシステム全体を構築していく手法である。
プログラミングの歴史から紐解いていくと理解できる。計算機が直接実行できる言語は機械語である。ただ、機械語はバイナリ(0と1)の羅列なので人には直には理解できない。そこで、機械語を直接記述するのではなく、人により分かり易い形で表現したものがアセンブリ言語である。アセンブリ言語はアセンブラを介して機械語に翻訳(コンパイル)される。ただ、アセンブリ言語はそれでも人には分かりにくい低水準言語であったため、その後最初の高級言語と言われているFORTRANが現れた。FORTRANでは Z=X+Y と言った表現が可能になった。その後、IT時代が本格化するにつれ、プログラム自体の複雑化、量の増大がプログラムの保守性(修正し易さ)を逼迫し始めた。これを解決する考え方が構造化プログラミングを基本としたオブジェクト指向プログラミングである。
OpenModelicaのGUI画面(OMEdit)の構成
OpenModelica使用時の入り口であるOMEditについて説明します
OpenModelicaをインストールする
OpenModelicaのHP(https://www.openmodelica.org/)からインストールできる。トップページの上覧の”DOWNLOAD”にカーソルを持っていくと、インストールする環境(OS)が表示されるので必要なOSをクリックする。Windows以外はやや複雑なので、”Windows”をクリックするとWindows環境でのDownload画面が現れる。Official Release、Stable Development、Nightly Buildの3種類がある。Official Releaseはある程度動作検証されているのでこれを使用することを推奨する(Official Releaseでも、バグが無いとは言い切れないが)。Stable Developmentは、新機能を追加されたβ版で、ある程度動作検証はされているが、バグがある可能性は高い。なお、32bit版は不安定なので、64bit版を推奨する。具体的には、OpenModelicaのHPでDOWNLOAD→Windowsとクリックすると、Windowsのダウンロード画面が現れるので、Official Releaseの横の1.13.2(32bit/64bit)をクリック、64bitというフォルダのexeファイルをインストール、実行すればソフトウェアがインストールされる。ファイルサイズが大きいので時間を要するが気長に待っていただきたい。
インストール時の注意点として,OpenModelicaのインストール先、および,作業フォルダ(通常はユーザフォルダのDocumentsの下)のフォルダ名に2バイト文字(日本語)が含まれているとエラーになる。ユーザフォルダ名に2バイト文字が含まれている場合、新たに1バイト文字のみのユーザを定義し、そのユーザ名でloginしてインストール、実行する必要がある。
インストールが完了すると、OpenModelica Connection Editor (OMEdit)アイコンがPC上に表示される。